海には、おもしろい性質や能力をもったお魚がたくさんいます。
変わった名前の魚や、魚由来のことわざなどもあります。
そんな海の魚たちの、思わず人に話したくなる豆知識を大公開!
海の魚のおもしろ豆知識3選
ハゼはイクメン!?
子供の頃、近所の川で良くハゼを釣ったものです。
私が子供の頃は、普通に100匹くらい釣れましたが、最近は全然です・・
ハゼは、汽水域や内湾に棲息し、夏になると河川の下流部や干潟に未成魚が入ってきます。
砂泥底を好み、多毛類、甲殻類、貝類、小魚に加え、アオノリなどの藻類をエサとします。
マハゼの白身は淡泊ななかに深い味わいがあり、天ぷらを筆頭に、唐揚げ、煮付け、甘露煮、大型のものは刺身でも食べられます。
また、真子(卵巣)の煮付けや塩辛は珍味として、とくに東京では珍重されます。
ハゼの天ぷらは、中骨を取り除き、揚げる直前まで冷蔵庫で冷やしておくのが上手に揚げるコツです。
産卵期は1~5月で、南の地方ほど早くなるようです。
内湾や汽水域の水深10m程度のところで、泥底、砂泥底にオスが長さ1m以上にもなるY字形の穴を掘り、その内壁にメスが産卵します。
柔らかいヘドロ底にも巣穴を作ることがあります。
卵は2㎜ほどの長円形をしており、穴の天井からぶら下がるように産みつけられます。
そしてハゼのオスは産卵が終わったあとも、卵を守るために孵化するまで巣に残り、卵の世話をします。
イクメンですね。
通常、マハゼは1年で成熟し、産卵して生涯を終えますが、2年で成熟する成長の遅い群が存在します。
年を越した大型の個体は「ヒネハゼ」と呼ばれ、翌年の夏に浅場で釣られ、釣り人を驚かせます。
サメには骨もウロコもない!?
海で泳いでいてサメに遭遇したらどうします?
恐怖ですよね。
実際泳いでいてサメに要遇することはあまりないと思いますが、やっぱり気にしちゃいますよね。
サメにもいろいろな種類があります。
世界最大のサメ、体長20mにもなるジンベイザメ。
世界最小のサメはドワーフ・ランタンシャーク、体長20cmしかありません。
ちなみに、メスのジンベエザメは用心深いそうです。
目撃されるジンベエザメの70パーセントはオスで、メスの産卵シーンにいたっては観察されたことすらないそうです。
離島やサンゴ礁の近くに秘密の産卵スポットがあると推測されていますが、それを見た者は誰もいないとの事です。
サメの歯はいくつもの列に並んでいて、ベルトコンベアーみたいに前に移動し続けます。
こうして、2週間に1回生え変わります。
サメの体の表面をさわるとザラザラしていますよね。
このザラザラは、実はウロコではないんです。
サメは普通の鱗を持たない代わりに、皮歯という、鱗というよりは歯に近いものに覆われています。
これがザラザラした鮫肌の正体です。
そして、サメの仲間の骨格はどれも硬い骨ではなく、軟骨でできています。
人間で言うと、耳のようなものですね。
これが、強靭で柔軟な骨格の秘訣です。
でも、背骨がないので、立ち上がるのが苦手なんだそうです。
全身軟骨ってすごいですよね。
例えるなら、でっかいムチみたいなもんですよね。w
サメも新鮮なものは美味しいらしいですよ。
私は食べたことありませんけど・・・
カワハギは海のギャング!?
カワハギは、冬のイメージがあると思いますが、夏でも美味しくいただけます。
カワハギといえば肝が絶品です。
フグの肝もより美味しいという方も多いです。
肝がなぜ美味しいかというと、カワハギはブリなどと違い脂肪がほとんどありません。
なので、栄養は全て肝に蓄えているんです。
それで、濃厚で美味しい肝になるんですね。
サイズは、大きくても30cmほどですが、見かけによらず凶暴な肉食性なんです。
カワハギの大好物ってなにかご存知ですか?
釣りでは、あさりなどの貝類を使うことが多いです。
しかし、大好物はエチゼンクラゲなんです。
あの巨大なエチゼンクラゲに群がります。
エチゼンクラゲは、コラーゲンというたんぱく質の塊だから、筋肉質のカワハギにはもってこいの食べ物なのだそうです。
あのおちょぼ口でクラゲをつつきまくっているんですね。
驚きです!!
ちなみに、カワハギの赤ちゃんはエチゼンクラゲの傘の下で生活するそうです。
食べられる家って、おかしの家みたいでいいですよね。
海の魚のなるほど豆知識3選
カニと名のつくカニではないものがいる!?
カニは、熱帯から極地にいたるまで、世界中の海に、たくさんの種類が生息していて、一部は沿岸域の陸上や淡水域にも生息しています。
成体の大きさは、数mmしかないものから、脚の両端まで3mを超すタカアシガニまで様々です。
カニの足は5対10本あります。
カニのハサミは手では無く足が変化したものです。
これは餌をつかんだり敵を威嚇したりするのに用いますが、はさみはもっぱら防御用に使います。
カニといえば横歩きする事で知られていますが、タカアシガニやミナミコメツキガニ、マメコブシガニなど前後に歩くカニもいます。
そして、カニといえばズワイガニとタラバガニですが、このどちらかはカニではないのです。
どちらでしょう??
実は、タラバガニはカニではなくヤドカリの仲間なんです!!
ズワイガニはカニの仲間ですが、タラバガニはヤドカリ科で、実はカニの仲間ではありません。
という事は、特徴にも違いがあるという事です。
大まかに比較してみると、こんな感じです。
足の数 タラバガニ:4対 8本 ズワイガニ:5対 10本
こんどカニを食べる機会があれば、足の本数を見てみてください。
違いが良くわかりますよ。
トビウオってどの位飛ぶの?
海面すれすれの空中を「飛ぶ」トビウオ。
多くのトビウオがピョンピョン跳びはねている映像をどこかで見た記憶があるかたも多いと思います。
トビウオはどうやって飛んでいるのでしょうか。
胸びれはもちろん尾びれも大切な役割をしていて、体をSの字を描くようにくねらせながら水中から水上へと体を持ち上げます。
そして、尾びれを使ってまるで走るかのように助走をつけて空中へと飛び上がります。
あとは大きく広げた胸びれで華麗に空気をとらえて、グライダーのようなきれいな姿で空中を飛びます。
高さが徐々に下がってきて、着水しそうになると、ふたたび尾びれで水面を走るように叩いて浮上。
これを何度か繰り返しながら飛びます。
なんとその速さは時速60キロ。
そして、トビウオの飛行機録は400メートル、42秒も飛んだことがあるそうです。
すごいですね。
マグロやシイラのような捕食者から逃げるために進化したそうです。
海の表層には捕食者が多いですからね。
でも、たべるとめっちゃ美味しいですよね。
旬は夏ですので、スーパーなどで見かけたら、是非買ってみてください。
サーモンは赤身?白身?
皆さんは白身と赤身どっちが好きでか?
白身魚の代表といえばタイとヒラメ。
赤身魚の代表は『回遊性の青もの』つまりマグロ・カツオ・サバ・イワシ・サンマなどです。
身の筋肉が赤く見える魚類を称して赤身魚と呼びます。
ではなぜ身が赤くなるのか。
ヘモグロビンとミオグロビンが多いからです。
ヘモグロビンは血液色素たんぱく質、ミオグロビンは筋肉色素たんぱく質です。
これらを「色素タンパク質」といいます。
赤身魚の回遊魚は集団生活をし、高速で泳ぎ続け、寝てる間も泳ぐのをやめません。
従って大量の酸素が必要になり、その大量の酸素を効率よく利用する体のしくみが必要です。
得た酸素を効率よく使うため重要な働きをするのが色素タンパク質なのです。
白身魚は回遊しないで、あまり動かないタイプや、赤身魚が海の表面近くで生活するのに対し、深海性の魚が多いです。
色素タンパク質の量は、赤身魚が筋肉100g中に150mgほどあるのに対して、白身魚はほとんどの場合10mg以下しか含まれません。
ここで本題。
身が赤い鮭やマス。
赤身だと考えてしまいますが、実はヘモグロビンとミオグロビンはごく僅か。
結論から言うと、サケ・マス類は白身魚です。
鮭の身を赤くしている色素はカロチノイドのアスタキサンチンです。
それらは、エビやカニに多く含まれています。
すなわち、食べているエサによって身を赤くしているのです。
ちなみに真鯛が赤いのも、エビをたくさん食べるからなんですよ。
そこで思ったのですが、冬にみかんを食べ過ぎると手が黄色くなるじゃないですか。
あれも、そういう原理なんですかねw
海の魚のことわざ、名前の由来3選
太刀魚のキラキラは女性に身近な存在なんです。
太刀魚って美味しいですよね。
脂の乗る夏から秋がこの魚の旬です。
鮮度の落ちやすいのが難点ですが、ビタミンやミネラルなど栄養価が高く、柔らかく淡白で上品な白身魚として人気があり、塩焼き、照り焼き、唐揚げ、ムニエル等でいただくと美味です。
太刀魚の名前の由来はいろいろありますが、見た目が刀のようなので”太刀魚”という説。
太刀魚は立ってゆらゆらと泳ぐ姿から立つ魚という事で”立ち魚”と言われる説があります。
タチウオの体表には鱗がなく、全身が銀色に輝くグアニン質の層で覆われています。
このグアニン層は人が指で触れただけですぐ落ちる粉状の物質で、これを集めて「タチハク」という物を作ります。
そして、このタチハクは、人工パールやマニキュアやアイシャドウの原料になっているんです。
驚きですよね。
たしかに化粧品に入れたらキラキラして綺麗だと思います。
しかしタチウオはこのグアニンが剥離するとすぐに死んでしまいます。
このキラキラで体を保護しているんですね。
イカの足ってなんで下足(ゲソ)っていうの?
イカのなかでももっとポピュラーなイカといえばスルメイカです。
中部、北陸地域では5月くらいから釣りが始まります。
8月くらいになると体長30センチくらいに成長します。
スルメイカは、千島列島周辺から朝鮮半島、東シナ海に生息し、日本の沿岸各地で夏季を中心に広く漁獲されています。
生息に最適な水温は15℃前後ですが、昼間は水深50m以深(水温が低い)に、夜間は表面付近(水温が高い)にいます。
みなさんイカの絵を書くとき三角の頭を上に書きますよね。
それ間違いなんです。
イカの上下は 足の方が上なんです。
理由は、イカは頭足類とよばれる生物分類に属します。
頭足類は、体がおおまかに胴、頭、足に分けられ、胴 – 頭 – 足 の順番で繋がっている生き物です。
胴体と頭の関係から頭を上に位置させると、足がその上に来るというわけです。
ちなみに、 足と思っていた所は腕です。
そして、イカの足をなぜゲソと呼ぶのか。
そもそも、ゲソは下足(ゲソク)の略。
鮨屋言葉でイカの足のことを言います。
もともとは、芝居小屋・寄席の下足(脱いだ履物)のことで、足の隠語に使われた言葉。
下足番が下足を整理するのに十足ずつまとめたため、イカの足の十本にからんで、イカの足を代弁する語になったようです。
また、親分のこともゲソと言います。
子分は親分に下駄を預けることから転じました。
そういう世界から抜け出すとき“足を洗う”というのは、そのためだそうです。
変な名前のカサゴがいる??
カサゴは、どこででも手軽にねらえる最もポピュラーな根魚です。
水深30センチくらいの浅瀬から200メートルくらいの深場まで広く生息しています。
北海道南部から東シナ海に至る日本各地に分布、大都市近郊の防波堤でも釣れるし黒潮が洗う荒磯にも棲息しています。
特に手つかずの磯周りには30cmをオーバーするような大型がいて、これを釣り人はシャレで「ゴジラ級」などと呼んだりします。
カサゴは船から深い海でも釣れるため、以前は最大で60cmにもなる個体も関西では沖ガシラと呼んで同じカサゴと思われていました。
しかし、実は別種と分かり1978年に新種記載されたのです。
ちなみにカサゴは40センチくらいまでしか成長しません。
そして、新種に名付けられた名前が【ウッカリカサゴ】です。
変な名前ですよね。
なんでこんな名前になったかと言うと、「うっかりカサゴとばかり思っていたから……」というのが本種にこの和名が付いたいわれだそうです。
そのまんまですね。
まとめ
海の魚って本当に不思議が多いです。
おもしろい名前のものや、驚きの生態を持っているものなど様々です。
そして毎年のように新種が発見されています。
私達の知らないことがまだまだたくさんあります。
海って、奥が深いなと思いました。
これからも勉強したいと思います。
今回ご紹介させていただいた豆知識、どんどん人に話しちゃってくださいね。
コメント