アメ車とは、戦後GHQが本国に帰還するとき、日本においていったアメリカの車をアメ車と呼んだのが最初と言われています。
1960年代には、大排気量、大型のマッスルカーが日本でも人気になりました。
アメ車の魅力と言えば、まさにこの大排気量のエンジン音と、大きなボディーです。
4000cc以上は、あたりまえ。
6000cc以上の排気量の車も普通にたくさんあります。
私自身、アメ車は3台乗り継ぎました。
最初は、1991年式トランザム、次に1996年式のシボレー アストロ、次に2007年式キャデラック エスカレード。
すべて大排気量の車ばかりです。
私はアメ車のエンジン音が好きで、特にトランザムのエンジンをかけた瞬間のあの爆発音に似たエンジン音にはシビレました(笑)
アメ車は燃費が悪いと言われます。
正直、私が乗ってきた3台は、トランザムが2.5㎞/L、アストロが3.5㎞/L、エスカレードが3㎞/Lでした。
しかし、2020年の現在でも燃費は悪いままなのでしょうか。
アメ車の燃費が悪い理由、最近のアメ車の燃費事情などご紹介いたします。
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アメ車の燃費が悪い6つの理由とは
アメ車は燃費が悪いといわれます。
一つ、お断りしておきますと、アメ車だから燃費が悪いわけではありません。
結果的に燃費が悪くなるのですが、それにはいくつかの理由があるんです。
1.サイズが大きい為
アメ車は、全長5m、幅2mを超える車種が多く存在します。
アメリカは、国土が広く、道幅も広いです。
アメリカ人も日本人に比べたら、大きいですよね。
車のサイズが大きいというのは必然なのです。
サイズが大きくなれば、車両総重量も重くなって当然です。
2トンを超える車は普通に存在ます。
私が乗っていたシボレーアストロも2トンを超えています。
ちなみにアストロはアメリカでは、ミニバンですw
重い車体を、スムーズに動かくためには、大きなエンジン、大きなボディが必要になります。
その為、燃費が悪くなってしまうんです。
2.排気量が大きい為
アメ車の排気量は、6000ccを超えるものがたくさんあります。
キャデラック・エスカレードも6200ccです。
トランザムも、1970年代の初期のころは7500ccもありました。
アメ車は、車自体が大きいものが多いです。
そのため、車が重いです。
重い車体をしっかり走らせるためには、大排気量のエンジンが必要になります。
例えばアメリカでは、6人の大人を乗せて、山道を延々と登るなんて事が普通にあります。
そんな時、大排気量のエンジンのパワーがないと、登っていかないんです。
広大な国土のため、過酷な条件で車を走行させることがしばしばあります。
そのため、大排気量のパワーのあるエンジンが必要です。
排気量が多くなれば、必然と必要とするガソリンの量が増えてしまい、燃費が悪くなります。
3.道路事情が悪い為
日本の高速道路は、1年に1回は集中工事していますよね。
パトロールもしっかりしているので、万が一道路に穴が空いたとしても、すぐに補修されます。
アメリカのハイウエイなどは、路面がボコボコです。
なぜでしょう??
それは、アメリカのハイウエイはタダだからです。
無料なんです。
そのため、お金をかけて直しません。
日本の高速道路は高いですよね、いつまでたっても無料になりませんよね。
その代わり、しっかりメンテナンスされているため、道がキレイなんです。
道が悪いとどんな弊害があるでしょか。
まず、車が傷みます。
その為、アメ車はじつは日本車に比べても、作りがしっかりしているんです。
アメ車は壊れやすいというイメージがあるかもしれません。
それは、1980年台から1990年代頃は、アメ車は日本でも比較的人気な頃の話です。
当時、走行距離が20万キロや30万キロの車のメーターを改ざんし、走行距離を短く表示する悪徳業者が横行してました。
その為、買ってもすぐ壊れる車が続出し、アメ車は壊れやすいというイメージがついてしまいました。
アメリカには、車検がありません。
あちこち壊れていても平気で走っている車がたくさんあります。
そんな車をろくに整備もせず販売したら、すぐに壊れるのは当たりまえです。
話がそれましたが、アメ車は、悪い道路事情でも傷まないように、頑丈に出来ています。
そして、作りがシンプルです。
先ほどもお話ししましたが、アメリカには車検がありません。
そのため、多くのアメリカ人は、車は壊れたら自分で直すものだという意識が強いです。
作りがシンプルなので、一般の人でも修理がし易いんです。
作りがしっかりとした頑丈な車を作ると、その分車が重くなります。
これも、燃費が悪くなる一因なのです。
4.長距離移動できるように作られている為
アメリカの国土は大変広いです。
アメリカを横断しようとすると最短距離でも、ロサンゼルスとニューヨークを結ぶ4000キロもあります。
場合によっては、何もない砂漠地帯を数百キロ走ることもあります。
もちろん、途中にガソリンスタンドはありません。
その為、大排気量で大きめのガソリンタンクが必要になります。
5、6時間走り続けるなんてことは、日常でも普通にあり得ます。
そして、先ほどもお話ししたように、道路事情が悪いです。
言うなれば、がたがた道を数百キロ走るわけですから、丈夫な車体と、パワーのある大きなエンジンが必要になります。
その為、燃費が悪くなってしまいます。
5.ガソリンが安い
アメリカは、ガソリン価格が日本に比べてかなり安いんです。
州によってかなりばらつきがありますが、安い州では、60円台です。高い州でも90円台くらいです。
今では、アメリカは原油の輸出国になりました。
100%国産の原油で1国をまかなえています。
その為、この価格は維持できるのでしょう。
ガソリン価格が日本のほぼ半分ですので、日本より倍のガソリンを使っても、ガソリン代は同じです。
その為、アメリカでは燃費を良くする理由が少ないのだと思われます。
アメ車にディーゼル車は少ないです。
なぜなら、ガソリンより軽油の方が高いんです。
このような理由から、アメ車は燃費が悪くても気にならないんです。
6.シャーシが丈夫に出来ている
とにかくアメ車は頑丈に出来ています。
先ほどまでに、いろいろお話してきました、車体が大きい、排気量が大きい、道路事情が悪いなど。
悪路で車が傷まないよう、車重に耐えられるよう、シャーシが丈夫に出来ています。
アメリカは道路が広く、高速走行をすることが多いので、事故を起こした時のダメージが大きいです。
シャーシが頑丈であれば、事故をした時のダメージが軽減されます。
そのあたりにも配慮して、シャーシが丈夫なんです。
その代わり、車重が重くなってしまいます。
それで、燃費が悪くなってしまうのです。
最近のアメ車は燃費が悪いとは言わせない!
前章では、アメ車の燃費が悪い理由をお伝えしました。
最近のアメ車は、燃費がかなり良くなって来ています。
冒頭でもお伝えしたように、アメ車だから燃費が悪いのではなく、今までの作りが大いに関係していたのです。
アメ車だって、真剣に燃費を良くしようとすれば出来るんです!
いくつかの例をご紹介しましょう。
ジープ コンパス
カタログ燃費は10.5km/L~10.7km/L(JC08モード)。
日本車で10.5㎞/Lは、燃費が良い部類に入らないかもしれませんが、1.4トンの車両総重量でこの燃費なら随分と良いと思います。
ジープ チェロキー
カタログ燃費は3.2リッターV6+9速ATで、JC08モード燃費は10.3km/L。
チェロキーも車両総重量が2トンを超えています。
キャデラック ATS
キャデラックATSの4気筒ターボの最高出力は272hp、EPA燃費はシティモードが21mpg、ハイウェイモードが30mpgです。
EPA燃費とは、米国で新車販売時に表示が義務づけられている、車の燃費性能等を表示するラベルの事です。
アメリカの燃費表示は、基準が厳しいのでほぼ実測値です。
と言うことで、キャデラックATSの燃費をリーター換算すると、市街地走行で8.9㎞/L、高速走行時で12.7㎞/Lになります。
ちなみに、トヨタのレクサスIS200t(北米仕様)は、最高出力が241hp、EPA燃費はシティモード22mpg、ハイウェイモード32mpgとなっています。
リーター換算すると、市街地走行で9.3㎞/L、高速走行で、13.6㎞/Lとなります。
馬力の差を鑑みれば、キャデラックATSはトヨタ レクサスより燃費が悪いとは言えません。
同じようなカテゴリーの車であれば、アメ車と日本車の燃費は変わらないんです。
シボレー カマロ
2018年11月にマイナーチェンジした6代目となるカマロは、V8 6.2Lのエンジンを載せた、最新の10速ATLT RS。
試乗時の燃費は12㎞/Lという低燃費を実現しています。
ラムトラック(ピックアップ)
2019年モデルのラム1500には、eトルクと呼ばれるマイルドハイブリッドシステムを搭載した、3.6L V6エンジンが標準設定されています。
マイルドハイブリッドシステムとは、一般的に「ハイブリッドエンジン」とは違います。
オルタネーターを進化させたようなもので、ベルト駆動のジェネレーターとバッテリーパックを組み合わせています。
このバッテリーパックは、アイドリングストップ状態からエンジンを再始動させたり、発進時に一定時間駆動をアシストしたりするのに使われます。
減速時に回生ブレーキの電力を貯めるのに使われ、低燃費化に貢献しています。
メーカーの公表のEPA燃費は、3.6L V6エンジン(2WD)で、市街地走行8.0km/L、高速走行10.2km/L。
5.7L V8エンジン(2WD)は、市街地7.2km/L、高速9.3km/Lとなっています。
ちなみに、日本車でこのラムトラックに近い車種は、トヨタ ランドクルーザーです。
トヨタ ランドクルーザー(V8 4.6L)燃費は、6.7km/L(JC08モード)です。
このケースでも、アメ車のラムトラックの方が燃費が良いのです。
まとめ
アメ車の燃費が悪いというイメージは、1960年代、70年代の排気量7000cc以上のマッスルカーの時から付いたものだと思われます。
かつては、実際に燃費の悪い車種がほとんどでした。
アメリカという広大な国土を持つ国で、ロングドライブするためには、大きなエンジンが必要です。
また、道路事情が悪い為、車が傷みやすいです。
丈夫な、頑丈な車を作ろうとすれば、自然と車体総重量は増えます。
そして、なによりガソリンが安いです。
様々な要因により、アメ車は燃費の悪かったんです。
アメリカでも、近年燃費性能を向上させるため、基準がかなり厳しくなっています。
日本のカタログ値より、アメ車のカタログ値の方が、よっぽど正確な位です。
環境への負担を考え、アメ車もかなり変わってきました。
いままで必要に迫られなかったので、燃費向上のための努力をあまりして来ませんでした。
しかし、今のアメ車は違います。
最近のアメ車は、同じようなタイプの日本車と比べた場合でも決して燃費が悪いとは言えないんです。
アメ車好きの私的には、もっと日本でもアメ車が普及すると非常に嬉しいです。
アメリカの自動車メーカーは、もっと日本人にアメ車の良さをアピールするべきだと思います。
実際、日本でもジープは2018年3月にルノーを上回る1300台超を売り上げているんです。
皆さんも、ぜひアメ車に乗ってみてください。
新たな発見があるかもしれませんよ。
私は、これからもアメ車に乗り続けたいと思います。
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