秋になると咲く彼岸花。
真っ赤な花が印象的ですよね。
彼岸花は、好き嫌いがはっきり分かれる花です。
彼岸花が大好きな方も多いですが、縁起が悪い、気味が悪いなどと忌み嫌う方が多いのも事実。
なぜ、彼岸花は縁起が悪いのでしょうか。
突然庭に生えてきたと言う話も聞きますが、お墓や畦道でよく見かけるのはなぜでしょう。
疑問にお答えします。
彼岸花が縁起が悪い理由とは
彼岸花が嫌われる理由はなんでしょう。
彼岸花には毒があることが一番の原因と思われます。
花・葉・茎・根(球根)の全てに毒があります。
約20種類のアルカロイドの複合体であり、主成分はリコリンと言う毒成分です。
食べると、嘔吐、下痢などの症状が現れ、重症になると死亡することもあります。
そのため、昔から死をイメージさせる花として、敬遠されました。
彼岸花には、『死人花』、『幽霊花』、『ほとけさん花』、『目つぶれ花』など別名が1,000種類以上存在します。
悪いイメージの名前ばかりですよね。
彼岸花には、さまざまな迷信もあります。
彼岸花を家に持ち帰ると火事になる。
彼岸花に触ると歯が抜ける。
彼岸花を摘んで帰ると死人が出る。
などなどありますが、実際にその通りになる事はありません。
例えば、最初の迷信は、彼岸花を子供が家に持ち帰らないよう、折るとマッチのような匂いがするので火事と結びつけたようです。
有毒ですので子供が触らないよう理由をつけたんですね。
その他、色が鮮やかな赤色だから、血を連想させたり、お墓に多く咲いていたりというイメージが先行して忌み嫌われたようです。
食糧事情が悪かった昔は、彼岸花の球根を砕いて水に晒して毒を抜き、食用にしていたと聞きます。
彼岸花の語源は、お彼岸の頃に咲くので彼岸花と理解されている方が多いと思います。
毒のある彼岸花を食べられるようにする、『悲願の花』と言う意味もあるそうです。
良いイメージもあるんですよ。
彼岸花が縁起が悪い理由は、全てこのようなイメージによるものだと思われます。
私は彼岸花大好きなんですけどね。
彼岸花が墓に多く咲いている理由とは
彼岸花って、お墓にたくさん咲いているイメージですよね。
なんでお墓に多く咲いているのでしょうか。
それは、彼岸花に毒があることが理由なんです。
昔、土葬だった頃、お墓を野生動物が荒らすことがありました。
そのため、動物から守るために、お墓の周りに彼岸花を植えたのが理由です。
特に新仏様の場合は、棺の回りに彼岸花の根を埋めることもあったようです。
獣よけの意味で、お墓には彼岸花が多いのです。
彼岸花が畦道に多い咲いている理由とは
秋の稲刈りが終わり、田んぼの畦道には彼岸花がよく目立つようになります。
田んぼの周りにも彼岸花ってたくさん咲いていますよね。
なぜでしょうか。
これも、彼岸花に毒があることに起因しています。
田んぼには害虫、害獣が存在します。
田畑の周辺には、同じくもぐらや獣がやってきます。
彼岸花を田畑の周辺の畦道や土手に植えることで、それら害獣、害虫を寄せ付けないようにしていた為なんです。
まとめ
彼岸花は、その持つ毒のせいでイメージが悪くなりました。
確かに、昔はその毒によって被害に合われた方もいたでしょう。
お墓にたくさん咲いていたりして、死をイメージさせることが縁起がわるいと思われる所以です。
墓に彼岸花が多いのは、土葬の時代、害獣がお墓を荒らさないように植えられました。
畦道に彼岸花が多いのも、モグラなどの害獣から、作物も守る意味で植えられました。
食料事情が悪い時代には、食用にもされていました。
イメージが先行して、忌み嫌われていますが、とても人の役に立つ植物なんです。
彼岸花は、暑さ、寒さに非常に強い植物です。
大変育てやすいですし、近縁種もたくさんあり、白やピンクの彼岸花もあります。
花や茎、球根に触ったところで、なんの害もありません。
とてもキレイな彼岸花、ご自宅で育ててみませんか。
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